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スマホの羅針盤
【スマホ羅針盤の目的】
スマホ時代のトラブルから子供を守るために。
ニュースの表面的な情報だけでなく、小中学校の現場で
児童生徒のトラブルに対応している
高宮城修の視点を通した「一歩踏み込んだ考察」を
保護者の皆様と共有します。
・ニュースから読み解く子供の心理
・家庭で今日からできる具体的な声かけ
・教育現場の実感に基づいたアドバイス
第1回:誰かの「正義」が、誰かの「一生」を壊さないために
―動画拡散の裏側にある集団心理と、スマホ時代に求められる責任―
近年、中高生の間で起きた暴力行為が、SNSで拡散される事例が社会問題となっています。
こうした出来事は、特別な悪意を持つ一部の人だけが起こすものではありません。誰もが陥りかねない「集団心理の罠」が背景にあります。
1.当事者たちの心のメカニズム
最初は「ふざけ半分」でも、一度手を出してしまうと、「相手が悪い」と自分の行為を正当化しやすくなります。周囲の視線を意識することで、力を誇示したい気持ちが強まり、行動がエスカレートすることもあります。
また、スマホを通して出来事を見ることで、目の前の暴力が「現実」ではなく「動画コンテンツ」のように感じられ、被害者の痛みへの想像力が失われてしまいます。
さらに、「誰かが止めるだろう」という責任の分散や、「次は自分が標的になるかもしれない」という不安から、止められず、笑ってやり過ごしてしまうこともあります。
2.「正義感」が被害者を追い詰めてしまう現実
事件後、加害者を特定し、動画や個人情報を拡散する行為が見られます。
しかし、「加害者を裁きたい」という正義感が、結果として被害者を長く苦しめてしまうことがあります。
動画が拡散され続ける限り、被害者は「この映像が一生残るかもしれない」という不安や恐怖の中で生きることになります。拡散行為は、被害者の尊厳を繰り返し傷つけ、立ち直るための「日常」を奪い続けてしまうのです。
3.私たちにできる「思いやりの沈黙」
被害者の傷をこれ以上広げないために必要なのは、「拡散しない」という選択です。
ここでいう「沈黙」とは、無関心になることではありません。
不適切な動画を見かけたときに広めないこと、必要に応じて通報や信頼できる大人に相談することこそが、被害者の未来を守る行動です。
ご家庭でも、SNSの使い方や、集団心理に流されない勇気について、お子様と話し合う機会を持っていただければ幸いです。


